※断りのない限りすべてB6手製本(とじ太くん使用)です。
王国有数の幻獣牧場の娘、ミリエルは、兄達ばかりが騎竜をもらえることに苛立っていた。
どうして、皆、『女は幻獣使いになれない』って決めつけるの?
女だからって、一生、居間の長椅子にすわって刺繍をしていろっていうの?
兄の初陣の日、とうとう我慢できなくなったミリエルは――。
冒険あり、恋ありの王道幻獣ファンタジー。
大好きなジェイン・オースティン的世界に、幻獣をぶっこんでみよう!
――という大きすぎる目標のもと、王道っぽい幻獣ファンタジーを目指してみたところ、
選者の方々に、『ヒロインが俗物すぎる(意訳)』と評されてしまった作品。
……たしかに、オースティンのヒロインって、恋愛と結婚の話ばかりしてるよね……。
でも、そんな俗っぽい世界(に巨大狼や巨大ムカデをぶっこんだ何か)が書きたかったんです。
そんなお話です。
SF二編、日常もの二編の短編集。
そのむかし、『なろう』にあげたときには、きれいなお話ですね、と感想を頂いたりもしましたが……
(どこの誰ともわからない方、その節はありがとうございました。めちゃめちゃ嬉しかったです)
それもTopページに作品が載っていた、ほんの数十分の間のこと。
速攻流れてデータの底に沈みました。
……まあ、そうですよね……。
そんな、どうしたってメインストリームには乗らないお話たちです。
『ああ、ゾウムシってなんであんなに可愛いんだろう! あの背中に乗って歩けたらいいのに!』
――という店主の妄想から始まった、どこに出しても浮きまくるであろう問題作。
熱帯のジャングルを舞台に、身長6センチ半の小人達が、恋に友情に大活躍。
冒頭三分で昆虫食、家畜も虫、主食も虫、おまけに三時のおやつも虫……
という、たいへんに虫リッチな世界観に耐えられる方のみご賞味ください。
……って、あんまりいないですよね。
わかってます。
周りの皆にも言われました。――コレ、需要、どこにあるの? って。
でも、書きたかったんです。ゾウムシ……。